FPと金融商品仲介業

最近、資産運用のご相談を受けた方から


金融商品仲介業を兼ねるFPからは、
資産運用のアドバイスを受けてはいけない」


という意見を雑誌で読んだ、とのお話がありました。


おそらく、FPが金融商品仲介業を兼ねると、
中立性が保たれない、との指摘と思われます。


実際、資産運用相談を受けているFPの中には、
金融商品仲介業を兼ねている方も多いのですが、
果たして、それだと、中立性は保たれないのでしょうか。


ちなみに、私個人は、適切なアドバイスを行うかどうかは、
そのFP次第であり、金融商品仲介業が問題ではない
という意見です。


それに、法令上、FP資格だけでは、
報酬を得て、個別具体的な銘柄を推奨することはできず、
実務上の要請から、金融商品仲介業の枠組みを
利用している側面もあるのです。


この部分は、FP側も誤解や偏見に悩まされやすい
ところなので、要点を整理しておこうと思います。


1.独立系FPが金融商品仲介業を兼ねたとしても、
金融機関との雇用関係はないので、何かを販売しなければ
ならない、といった圧力は、まったくなく、
そのFPの信念にもとづいて、本気でお客様の側に立った
アドバイスを行うことは、可能である。


2.個別商品から生じる手数料は、一切受取らず、
相談料・顧問料のみで相談を受ければよい、とする意見もあるが、
このやり方では、現実的な収入面は、かなり厳しい。
FPが職業として成り立たなければ、結局、お客様に迷惑を
掛けることになる。


3.個人で活動するFPは、お客様との長期的な信頼関係を
築くことが、事業を継続させるために最も重要なことなので、
目先の手数料優先でお客様のためにならないアドバイスをする
可能性は低いと考えられる。
また、資産運用の結果に対しても道義的な責任を負うので、
町のお医者様が、診察や治療にあたるのと同様、
どうしたらよい結果が生まれるかを真剣に研究しているFPも多い。


もちろん、これを読んでどう思われるかは、読む人次第です。


ただ、本気で生活者の側に立ったFPサービスを普及させようと
懸命に努力をしている人々がいることも忘れないでほしい
と願っています。