FPサービスはなぜ普及が進まないのか。

FP会社やFP事務所のサービスは、知っている人だけが利用して、知っている人だけが得をする・・・今はそんな状況かもしれません。
得をする・・・というよりも、知っていることで、損をしていないといった方が正確かもしれません。


FPサービスはなぜ普及が進まないのか。
最近気づいたのは、目先の問題を解決するサービスではないからということです。

FP会社やFP事務所のサービスを利用しても、その効果を実感できるのは、10年先、20年先です。

一方で、例えば、手数料は高いけど、今すぐ100万円儲かる可能性があります。とか、利息は高いけど、今お困りのあなたに100万円をお貸しします。といった目先の問題を解決する話の方が、サービスを提供する側も、利用する側も手っ取り早いのは確かです。


ところで、FPサービスって何?という方のために、わかりやすく家計簿でイメージをご説明します。

家計簿をつけてみて、仮に、毎月1万5千円のムダが見つかったとします。

ムダを見直して、月1万5千円のプラスです。

ここまでは、ご自身で節約サイトなどを見ながら研究すれば、あえて専門家に相談しなくても何とかなる部分でしょう。


さて、ここからです。

ムダを見直して、月1万5千円のプラス、さらにこれを、ひと月複利、年利2.5%(税引き後とします)で35年間、積み立てられると仮定します。これをエクセルのFV関数で試算してみると、=FV(2.5%/12,35*12,-15000,0)、返された値が、10,056,188円、35年後には、貯蓄残高のプラスが1千万円を超えることが分かりました。
上の算式の意味がよく分からない方(あるいは考えるのが面倒な方)も、今の年齢+35歳で+1千万円を手にしているイメージでOKです。


年利2.5%程度の運用でも35年で630万円(=15000*12*35)の積立(元手)に対し、利息部分は376万円になります。

元手が倍なら利息も倍です。

FPサービスで提案する運用は、バクチではありませんので、「利回り」で考えていきます。2.5%よりも3.5%、3.5%よりも4.5%というふうに目標を立てます。

実際、ファンドマネージャーのような運用のプロの方々もこのように目標を設定しています。

例えば、企業が基金を設立して厚生年金の一部を国に代行し、独自の上積み給付を行う厚生年金基金は、最低でも5.5%の利回りで運用することが前提となっている程です。(もっともそれが難しくなり代行の返上という事態になっているわけですが・・・)


個人の運用を考える場合にも、いかに、利回りを上げていくかに尽きるのですが、これには、ライフプランニング、タックスプランニング、金融、保険、年金、不動産、相続、事業承継に関する知識といったさまざまな知識や知恵を絡める必要があります。


さらに、やっかいなのは、Aさんに対して適切なアドバイスが、Bさんにとっても適切かというと、そうではないのです。

そこで、専門家によるFPサービスの出番となるわけですが、多くの方は、今の時代は何でもネットに答えが出ているのだから、誰にでも共通のアドバイスがあるはずだと、ネットで答えを探し回り、結局、よく分からないか、表面的な知識や情報に振り回されて、誤った方向へ進んでしまうのです。


内閣府の試算によると、超低金利が続いた影響で、95年度からの10年間で、計14兆3000億円(※)ものお金が家計から失われた。といいます。

※預金などから受け取る利息は21兆2000億円減ったが、住宅ローンなどの返済負担の軽減は6兆9000億円にとどまったため。

いつの間にか、家計は、“知っている人”に、何兆円というお金を持っていかれてしまった・・・というわけです。


家計は、これまでの超低金利に慣れすぎて、「コツコツと節約するしかない」というアリさんの発想か、あるいは、「先は何とかなる今が楽しければ」というキリギリスさんの発想に2極化してしまいました。

かつては、ノーリスクで高利回りの運用が出来ましたので、その頃に貯蓄に励んだ方は、「利回りで運用効果を上げていく」という発想が確かにあったはずです。

今はノーリスクで効果的な運用は難しいですので、ミドルリスクでの運用になりますが、ここでもう一度、「利回りで運用効果を上げていく」という発想に立ち返ってみてはいかがでしょうか。


その際は、信頼できる身近なFP相談サービスを利用するのもひとつの方法だと思うのですが、いかがでしょうか。