投資リスクは計算できる。

投資リスクの説明をするのにエクセルでも説明できると良いと思い、実際に試してみました。

ところで、投資理論上のリスクの意味ですが、世間一般では、リスク=「危険」と思い違いされており、一般の新聞や雑誌の記事などでも『リスク商品は、“危ない”ので自己責任で(損しても知りませんよ)』というニュアンスで説明されているケースが多いように思います。

『リスク商品は、リスクがあるので、必ず専門家と相談しながらリスクコントロールして下さい』のように書かれた記事は、あまり見たことがありません。

確かに学校で習う、riskの訳は「危険」ですが、リスク商品=危険な商品ではありません。

日本では、リスクの意味が取り違えられているのです。

投資理論上のリスクとは、「危険」の意味ではなく、実は、“ばらつき”の意味で使われます。

つまり、リスク商品とは、運用成果に“ばらつき”のある商品というのが正解です。

ばらつき具合は、具体的には、標準偏差であらわすことができます。

標準偏差は、学生時代に偏差値というのがありましたので、そのイメージでご理解いただけるのではないでしょうか。

早速、エクセルで計算してみます。
ヘルプ画面で、「標準偏差」で検索、ありました。

STDEVP、STDEVA・・・とでてきましたので、とりあえず、上位で検索されたSTDEVP関数を使ってみます。

私の場合、初もののエクセル関数を試すときは、まずは、わかりやすい数字で実験してみます。

25% -15% 25% -15% 25% -15% 25% -15% 25% -15%
というふうに数字を10コ並べて、STDEVP関数で範囲選択してみました。

さて、結果は。
期待どおり、20%になりました。

ところで、計算の中身ですが、平均値の5%は、単純に足して割るだけで計算できますが、ばらつき具合は、単純に足して割る方法では、マイナスの値が含まれているため、相殺されてしまい、計算ができません。そこで、平均値との差を2乗したものをたし合わせて、平方根で戻すという作業を行うわけです。
(2乗すれば、マイナスの値はなくなりますので)

ついでに、ヘルプで検索されたSTDEVA関数も同じように試してみました。

さて、標準偏差は。
あれま。20%となると思いきや、21.08%...

エクセルのヘルプを読むと、実はこれ、n−1法というものらしいのです。

なぜ、n−1法があるのか、私は、数学的な深い意味は、よくわからないのですが、先の10コの数値の例なら、平均値との差の数値を2乗したものをたし合わせて、9で割った上で、平方根で戻すカタチになります。
ちなみに、STDEVP関数のほうは、ヘルプを読むと、n法を使って計算しますと書いてありました。

話しを戻して...繰り返しになりますが、リスクとは、“ばらつき”です。
具体的には、このように標準偏差などでもあらわせます。
投資信託などのパフォーマンス情報にも、標準偏差が書かれています。

ちなみに、定期預金などは、ローリスク・ローリターンの投資であり、基本的には、ばらつき0%です。
(約束された金利が1%なら1%以外ありえない。但し、税金を考慮せず)

一方で、株式投資信託などは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資(ばらつきがある)ですが、その分、期待リターンは、定期預金などよりも高いです。

イメージは、先ほどのエクセルの計算例にあった期待リターンが5%で、標準偏差が20%のケースと同じです。
つまり、あたり年は、+25%、はずれ年は、-15%というイメージですね。

そこで、仮にばらつき20%というリスクを限りなく軽減させながら、5%の期待リターンだけを着実に確保していくノウハウがあるとしたら...

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