有料相談の風が吹いてきた。

FP相談を有料で。

金融機関へ行けば、タダで相談できるのに、なぜお金を払うの?

現時点で多くの方が思う疑問です。

これを“飲み水”に例えて、考えてみましょう。

思えば、私が子供の頃は、お金を払って、飲み水を買うなんてことは、ナンセンスだったわけです。(私がはじめて有料の飲み水を見たのは、確か、JRの駅の自販機で売られていた缶入りの「大清水」という飲料水でした。余談ですが、このネーミングは、「おいしいみず」と掛けてあるそうです)

有料の飲み水が初めて売り出された頃は、水道の蛇口をひねれば、タダで出てくるものを買う人なんていないと思われていました。

しかし、今はどうでしょう。都市部に暮らしている人で、水道水をそのまま飲み水にしている人の方が、少数派になったのではないでしょうか。

タダの水で、本当に品質は大丈夫なのかということにみんなが気付きはじめたからです。

もうひとつ違う切り口から考えてみましょう。

例えば、普通はありえないですが、このようなサービスがあったとしたらどう思われるでしょうか。

実は、高額な教材を買ってもらうことが前提になっている授業料無料の学習塾。。。

実は、高額な化粧品を買ってもらうことが前提になっている施術料無料のエステサロン。。。

もちろん、どこの学習塾やエステサロンでも、きちんと授業料や施術料をとりますので、仮にこのようなサービスがあったとしたら、どう考えても変だと思うのです。
そして、一流のところであればあるほど、そのサービス料金は高いものになるでしょう。

つまり、FP相談も、本当は有料相談が当たり前なのです。

これからの不確実性の高まる時代に、マネープランの良し悪しが、人生を左右するといっても過言ではない状況にありますが、金融機関に勤務されているFPの方々も、無料相談に矛盾を感じながら、不本意な仕事の仕方を強いられるケースが、今後増えてくるのではないでしょうか。

このことは、人や企業に問題があるのではなくて、仕組みそのものがすでに時代に合っていないということだと思うのです。

では、有料相談を原則とする独立系FPの現状はどうでしょうか。

FPサービスを紹介するホームページなどを見ていて、いつも悲しくなるのは、「しつこい勧誘はありませんのでどうぞご安心下さい」という案内文です。

私も、FPの仕事をはじめた頃は、駆け引きの相手と思われているのかなと感じることが少なくありませんでした。

最近は、FPサービスも有料相談に対する追い風が吹き始めた感があり、今後は、森本FP事務所も、できる限り、無料相談から脱却し、アドバイスの品質と中立性を確保するためにも、9月から料金改定を実施することにしました。

吹き始めた風が、今後、どんどん大きなものになり、良質なFPサービスが全国に普及することを願っています。