すべて本当のことを話す。

「特定の選択肢に誘導しない。すべて本当のことを話す。」

このルールは、独立系FPを名乗る以上、絶対的なルールと、最近は、強く思うようになりました。

ところで、私の仕事と隣接する金融営業の世界は、特定の選択肢に誘導できることが優秀とされる世界です。もちろん、このことが、良いとか、悪いとか、評価しようという話ではありません。企業に所属している以上、企業側に有利になるよう誘導するのは、ある意味では当たり前のことです。

この関係は、私がかつていた税理士業界でいうと、納税者と税務署の関係に似ています。税理士事務所は、法律が許す範囲内で、納税者が1円でも有利になるようアドバイスしますが、税務署は、納税者側が有利になるテクニックなどは、聞かれれば答えるが、積極的には、教えないというのが、いわば、「暗黙の了解」です。

この関係を、金融営業の世界に当てはめると、ご相談者の側に立つのが、独立系FPです。独立系FPは、立場上、金融機関とご相談者との間に立って、ご相談者が最も有利になる選択肢を提示することができます。

そこで、ご相談者の皆様に、ぜひお願いしたい点は、独立系FPに適正な相談料を支払うということです。独立系FPが、いつまでもボランティアでは、結局、金融機関の側に立たなければ、仕事として成り立たなくなってしまいます。これでは、適正なアドバイスの品質を確保することができませんし、何のための独立系かわからなくなります。

わずかな相談料を惜しんだ結果、結局ものすごく高くついてしまうこともある、ということをご相談者の皆様に気付いていただきたいのです。

ご相談者の側に立った独立系FPを、ご相談者自身の手で育てていく時代。
近い将来にそんな時代がきっと来ると確信しています。