毎月分配型投信に法規制導入か

毎月分配型投信に法規制が検討されているようです。


3月から金融審議会(首相の諮問機関)で具体案が議論されるとのこと。


ちなみに、今問題視されているのは、
毎月分配型投信の「分配金の出し過ぎ」についてです。


毎月分配型投信は、金融機関で販売されている
一般的な公募追加型株式投資信託という分類の中で、
約7割を占める人気商品ですが、分配金を多くすることで、人気が集まるため、
最近は、分配金利回りを競うようになってきています。


しかし、分配金利回りは、運用成果とは異なるものです。


“1年間のトータルリターンがマイナスであっても、
年20%近くの分配金を出しているような投資信託もあります。”


預金金利がほとんどつかない時代に、年20%とは、すごい!


と思われましたか?


そう思われたあなたは、実は、錯覚をしています。


もう一度読んでみてください。


1年間のトータルリターンは、マイナスです。


つまり、年20%は、単に元本を取り崩している可能性が高いわけです。


もし実際に、毎月分配型投信をお持ちの方は、
明細を確かめてみてください。


毎月の分配金が、「特別分配金」と表示されている方は、
元本の払い戻しの扱いになっています。


元本の払い戻しなので、税金も掛かりません。


投資信託協会の2011年に行われたアンケート調査によると、
分配金の特徴認知状況として、
「支払われた額だけ基準価額が下がる」
と理解している人は、わずかに17.4%でした。


手数料を払って、お金を預けて、運用されずに元本が
払い戻されてくるわけです。


しかも、本来は、マーケットが低迷している時期にこそ、
強気で投資額を増やさなければいけないのに、強制的に投資元本が
戻されてくるわけです。


これは、さすがに非効率的です。


老後の資産運用なので、すべて取り崩して、使い切ってしまいたい
という意図があるのであれば、ある程度の合理性はありますが、
ほんとうは、多くの方が理解していないのが実態です。


商品さえ売れれば、あとは、自己責任。が、金融業界の冷たい現実なのでしょうか。


法規制ですべての問題が解決するとは思いませんが、多くの方が目を覚ます
きっかけになるのであれば、私はそれもありかなと思っています。