FP資格者とFPの違いとは?

「例えば、幅広い情報をご提供するため
ファイナンシャルプランナー資格の取得に努めています」


最近、保険会社のCMで聞いたフレーズです。


このCMで、妙に感心したのが、
「わが社では、ファイナンシャルプランナーがご相談を承ります」
ではなく、「ファイナンシャルプランナー資格の取得に努めています」
と、表現が工夫されているところです。


実は、ファイナンシャルプランナーを名乗って相談を受ける場合は、
特定の商品だけをお勧めすることは、倫理上、できないルールになっています。


私自身も、有料FP相談の際は、お客さまが選べるすべての候補を
時間を掛けて、公平にご案内するようにしています。


このことは、日本FP協会の会員倫理規程には、下記のように表現されています。


第2条 会員は、顧客に対して、その業務の適正、公平さを保つために必要な
すべての情報を開示したうえで、専門家としての業務を
公平かつ道理に適った方法で提供しなければならない。


第3条 会員は、利益相反事項がある場合は、これを顧客に開示しなければならない。


例えば、「わが社では、ファイナンシャルプランナーがご相談を承ります」
とうたって、わが社の商品のみお勧めすると、倫理上は、
問題が生じる可能性があるということです。


つまり、FP資格者とFPは、厳密には違うということですね。


ただ、現状、世間一般的に、FP資格者とFPがきちんと使い分けられているのか、
といえば、微妙なところです。


また、上記の倫理規程は、FP協会で独自に定めたルールで、法律ではないので、
違反したところで、刑事罰などもありません。


本来、FPは、独立した立場で活動する職業ですが、
実際に、独立系FPとして、活動している人は、
日本FP協会のアンケート調査をもとに推定すると、わずかに2%前後(※)です。
※FP資格者の中で、職業をFP会社・事務所の経営者または従業員と回答した人の割合


FP資格者は、すでに18万人以上いて、今後もFP資格者が増えていく中、
厳密な意味で、FPとして活動をしている人は全国で推定3500人前後・・・ 


ファイナンシャルプランナーという言葉が広く知られるのは、
よいことですが、ファイナンシャルプランナーとは、どんな職業なのかを
日々きちんとお伝えしていかなければと思いました。