世界の経済は繋がっている

ここのところ、円高・ユーロ安傾向が続いています。


ユーロは、円に対してだけでなく、米ドルに対しても下落傾向です。


主な要因は、欧州債務危機です。


スペイン10年国債の利回りは、一時7.7%と過去最高の水準まで上昇。


ギリシャは、今後1年〜1年半以内にユーロ圏を離脱する確率が
90%との予測が、米銀シティグループから出されています。


この円高が、国内の輸出企業の業績にもダメージを与え、
その輸出企業の下請け企業にも影響を及ぼし、
さらには、若者の就職難にも繋がり・・・と、
世界の経済は、私たちの暮らしとも繋がっていることがわかります。


出口の見えない欧州債務危機ですが、
もちろん、日本の債務危機も他人事ではありません。


実は、スペイン国債は、昨年まで、日本国債と同じ格付け
の「AA−」でした。(格付け会社S&Pの場合)


スペイン国債は、今年の1月に「AA−」から「A」、
4月には、「BBB+」まで格下げされています。


この流れから見ると、近い将来に日本国債が格下げされ、
金利が急上昇しても、不思議ではありません。


果たして、2014年からの消費税増税で間に合うのか・・・


ネットや雑誌、書籍などでは、センセーショナルに
日本国債暴落の可能性などと書かれることもあります。


ですが、実際の危機の始まりは、静かに長期金利が上昇していくだけ
なのかもしれません。


思い起こせば、欧州債務危機の始まりも、静かでした。


始まりは静かですが、いざ危機が表面化すると、
バタバタと格下げなどが行われ、出口の見えない
問題に発展してしまうというのが、今回の経験です。


欧州債務危機から、日本の債務危機への波及という流れは、
世間一般には、リアルに心配している人がほとんどいないようにみえます。


本当に心配しているのであれば、どんな対策があるのか、
調べたり、考えたりすると思うのですが、そのような行動を
とる人は少ないようです。


いざというときの、アクションプランは、
地震が来て、大津波が心配されるときは、高台に逃げなさい
というのと同じくらい重要なことかもしれません。


おそらく、どこか遠い世界の出来事と感じている人が多いと
思いますが、世界の経済は、私たちの暮らしとも繋がっている
ということを念頭に、一度真剣に考えていただく必要があると思っています。