コストが高いのはいけないことか
日々お金にまつわるご相談を受ける中で、
コストが気になる方は、やはり多いように思います。
例えば、保険や投資信託、不動産など、購入する際、コストが掛かります。
その際、できれば、コストを安く済ませたい、と思うのが、人の心理です。
もちろん、この心理は、私も同じで、なるべく無駄なコストは払わないように
とアドバイスすることが多いです。
ただ、コスト削減一辺倒の風潮は、デフレ社会を生み出す要因にもなっています。
デフレ社会は、特に雇用面での問題があります。
物価が下がることで、賃金も押し下げてしまうからです。
そこで今、デフレを克服するため、国の政策として、
人為的にインフレを起こそうとしています。
事前のアナウンス効果もあったのか、近ごろ急激に円安に振れ始めています。
つまり、通貨の価値が下がり始めています。
例えば、円安で原油価格が高騰し始めており、狙い通りのインフレです。
さて、このまま通貨の価値が下がると、問題の解決になるのでしょうか。
私は、そうは思いません。
株や投資信託や外貨などをたくさん持っている人は、喜ぶかもしれませんが、
例えば、被災地の東北地方などは、暖をとるのも大変になるでしょう。
なんだか方向性が間違っているような気がします。
あとで気付いて、後悔することになるかもしれません。
正しい方向性は、通貨の価値を押し下げることではなく、
コストを押し上げることだと、最近気付きました。
社会に暮らす人々が、お互いに価値を認め合って、コストを
押し上げることで、景気はどんどん良くなっていきます。
人々が、お互いの価値を認め合うという点が非常に重要な気がしています。