年金支給開始年齢引き上げに備える

選挙が終わりました。


衆議院の解散でもない限り、あと3年は、国政選挙はないとのこと。


そうなると、政府は、国民生活に痛みを伴う決定もしやすくなります。


ちなみに、今開催されている社会保障制度改革国民会議では、
年金の支給開始年齢は、少なくとも67歳〜68歳、
できれば、それより上に引き上げるべきという議論がなされています。


8月中には、何らかの報告がなされるようです。


ところで、一般的なFP相談では、まず初めにライフプランについて、
お話を伺うことが多いです。


その中で、リタイアの時期について、お話を伺うと、
60歳くらいかな、とおっしゃる方が多いように思います。


仮に、60歳でのリタイアを想定してみましょう。


もし、68歳から年金支給開始となった場合は、
25万円×12ヵ月×8年=2400万円程度の余裕資金がなければ、
60歳での完全リタイアはしにくいことになります。
(月平均生活費25万円、経過措置等はないと仮定)


退職時に、住宅ローンがまだ残っていたりすると、かなり厳しそうです。


あるいは、その8年間で退職金をほぼ使い果たしてしまうかもしれません。


したがって、多くの方にとって、60歳から68歳まで何らかの
仕事をするというのが、現実的な選択になります。


問題は、その間の仕事の選択です。


継続雇用という形で、雇ってもらえれば、一番よいのですが、
今の職場をやめざるをえない場合は、他の仕事を探さなければなりません。


ちなみに、私の父は、一般の会社員でしたが、
60歳で定年退職したあとは、65歳くらいまでアルバイトで、
公園の管理人や駐輪場の管理人などをやっていました。


60歳以降で新たな仕事を探すとなると、必然的に範囲は限られてきます。


もちろん、新しい仕事との相性がよければ、よいのですが、
選択範囲が限られる分、合わない仕事に就かざるをえなくなるケースも出てきます。


そこで、今から準備しておくとよいのが、リタイア後も、
個人事業でやれる仕事をみつけておくことです。


ご自身の得意を生かしたものであれば、生活に張りがでますし、
例え、年収100〜200万円でも十分、家計に貢献します。


計算上は、60歳以降、まったくの無収入になると、家計は厳しくなります。


また70歳以降も続けられるような仕事であれば、個人事業の場合は、
年金を受給しながら働いても、年金を減らされることはありません。
(あくまで現行制度上は)


そして、資産運用も、しっかりと考えるべきです。


リスクがあるのでちょっと難しい・・という方も多いのですが、
長い目で、本当のリスクは何なのかを見極めてみてください。


よく勉強すれば、時間を味方につけることで、リスクを抑えながらの運用も出来ます。


年金支給開始年齢の引き上げは、いずれ必ず浮上してくるテーマですので、
からしっかりと備えておくことをおすすめします。