普通預金も資産運用。

今月のタイトルは、「普通預金も資産運用。」です。

普通預金も資産運用?

そう、普通預金も資産運用…

とんち話では、ありません。

銀行の普通預金も広い意味では、金融商品です。

普通預金という金融商品を選択して資産運用をしているということです。


ところで、普通預金は、ノーリスクの金融商品でしょうか。

家計の専門家は、実は、普通預金も、広い意味では、リスク商品と考えているのです。

普通預金は、元本保証でしょ。預金保険制度で元本1千万円とその利息までは、保護されるのでは…と一般的には考えます。

もちろん、これも正解です。

家計の専門家が考える、普通預金に隠されたリスクは、主に2つです。


1つめが、インフレリスクです。

額面は、元本保証でも、物価が急上昇した場合には、実質的なお金の価値は、下がってしまうこともあります。

極端な例ですが、歴史上、代表的なインフレは、第一次世界大戦直後のドイツです。

この時は、パンを買いに行くのに、ベビーカーにたくさんの紙幣をつめていかなればならなかったり、紙幣が実質的に紙屑になってしまったりということが現実にありました。

あくまでこれは、極端な例ですが。

(なお、普通預金は、流動性が高いので、インフレになってから資金を移動すれば、よいと考える家計の専門家も多いです。)


2つめが、為替リスクです。

最近では、外貨建ての金融商品が、人気です。

国内の預金利息が0%なんておかしいのでは…と、気づいた人たちが、円を売って外貨建ての金融商品を買う動きをしているのです。

今は、これが、やや過熱気味となり、「円安バブル」となっています。

仮に、円安がこのまま進行して固定化したらどのようなことになるか想像してみましょう。

まず、自動車・ハイテクなどの輸出関連産業は、潤いますね。
ここまでは、いいと思います。

一方、輸入はどうなるかというと、円安ですから…例えば、海外ブランドのバックなどは、輸入するのに、いままでよりもたくさんのお金(円)を払わなければならなくなります。

このまま円安がどんどん進めば、輸入して国内で消費されるものの値段が、どんどん高くなっていき、相対的に、国内の円建て普通預金の実質的な価値は、下がっていく、ということになります。

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ここまでの説明で、何を言いたかったのかというと、
“資産運用は、実は、どこの家庭でもやっている”ということです。

なので、“資産運用をやる”という言い方は、本当は、変なのです。

では、上のようなリスクを回避するには、どうすればよいのか。

もちろん、ご自身で勉強しながらプランを作成してもよいのですが、時間が取れない方も多いと思いますし、ネット証券などを使った“自己流”だと、投機的な方向に走ってしまう傾向もみられます。

もし不安な方は、多少のコストは掛かりますが、家計の専門家と相談しながら、慎重にプランを作成し、実行するのも良いでしょう。

これにより、将来の数百万円〜1千万円程度のお金の流れの改善も期待できそうです。
(もっとも、元本保証かと問われれば、元本保証ではありませんが…)

上の文章を読んで、資産運用の本質的なことに気づいた方は、こちらなどもご覧下さい。