リスクをとる人が国を繁栄させる理由

話を分かり易くするため、ひとつの例で説明します。


仮に今ここに資産100億円を持つAさんがいるとします。


そして、Aさんは、このお金をすべて日本国債に投入し、
年1%で運用しているとします。


Aさんの年収は、税引前で1億円です。

働かなくても、どんどんお金が入ってきます。


一方、貯蓄ほぼゼロのBさんがいるとしましょう。


Bさんは、会社員として、まじめに働いて、
税引後の手取り年収500万円を得ています。


Aさんの年収1億円は、日本国債の利息ですから
Bさんたちが納めた税金の中から支払われていることになります。


このままいくと、二人の格差はどんどん広がっていきますね。


では、格差はよくないので、Aさんからたくさん税金を
取り立てた方がよいでしょうか。


もっとも、今のままでも、Aさんは、
毎年2千万円もの税金を払うことになります。

それでも、もっと税金を取り立てた方がよいでしょうか。


税金がどんどん高くなっていったら、さすがにAさんは、
税率の低い国に移住してしまうかもしれませんね。


では、Bさんが、Aさんに逆転する方法は
まったくないのでしょうか。

・・・


例えば、Aさんから、この100億円を年2%で借りて
リスクをとって年5%で殖やすことができたらどうでしょう。


5億円−2億円=年収3億円です。


上回れますね。


ただ、Bさん一人で100億円を借りるには、
信用力が足りませんので、例えばBさんのような人たちが
1000人集まって、1人あたり1千万円ずつ借りて、
全体の平均で年5%を超えることができるとすればどうでしょう。


Aさんとの格差は、全体では、かなり縮まってきそうですね。


でも、リスクを恐れ、何も行動を起こさなかったとしたら...


Aさんとの格差は埋まることがなく、
閉塞感だけが広がっていくことになるでしょう。