復興、復旧に向けて

震災後に送った義援金は、当座の生活資金に役立ててもらえているかなと何となく気にしていましたが、報道によると、4月中には、地域ごとに義援金配分委員会が設置され、遺族と住宅全壊の世帯に35万円、住宅半壊の世帯に18万円といった基準で第1次配分されることが決まったそうです。

この水準だと、本当に数ヶ月分の生活費のみという感じなので、やはり被災したお一人お一人が、早く仕事に復帰して稼げる状態になることが、肝心なようですね。

その意味でも、大事なのがインフラの復旧です。

東北がこれから復興、復旧するために、まず、がれきの撤去、仮設住宅建設を行い、そして、道路、港湾など、さまざまなインフラの整備を行う必要があります。

この資金は、主には、国が拠出することになるのでしょう。

ただ、問題なのが財源です。

つい最近も、S&Pという格付け機関が、日本国債の格付け見通しを安定的からネガティブに引き下げました。

もともと、財政状況が厳しかったのが、大震災、原発事故の影響でさらに厳しくなるのではないかという見通しです。

このような背景もあり、政府は、国債の増発には慎重のようです。

でも、こんな時ですから、早く思いきった手を打つべきなのではないかと個人的には思っております。

生活が第一。お金は手段に過ぎません。

ちなみに、今は、1ドル82円前後(5月2日時点)という為替水準です。

数年前、1ドル100円を割った時に、「今しかない」ということで、米ドル預金に人々が殺到したことがニュースになったのを記憶していますが、あれからさらに円高が進み、82円前後です。

ある意味では、18%くらいの余裕があるわけです。

深刻な財政問題を抱えている国の通貨が、なぜ、こんなに高くなっているのか、不思議ではありますが、個人的には、人民元が意図的に通貨安に誘導されていることも影響しているのでは?と想像しています。

いずれにしても、国債を増発することになると思いますし、どうせやるなら、早く決断した方がよいと思っています。

ただ、そうなると、ある段階で、マーケットが急変する可能性もあります。

今は、お一人お一人がきちんと金融経済のことを学んで、注意深く「備え」を怠らないことが、大切な時期に来ていると思います。