米国債務上限引き上げ合意

日本時間8月1日午前中に、オバマ大統領が、与野党の指導部が
債務上限引き上げについて合意したことを明らかにしたとの報道がありました。


この件については、相談者の皆さんからも、不安の声が寄せられていましたが、
米国債債務不履行は、ギリギリで回避できる情勢です。
(ひとまずは、ほっとしましたね)


ただ、これですべての問題が解決したとは思いません。


むしろ個人的には、これから問題が拡大していくのではと心配しております。


一方、日本は、対GDP比での債務残高は米国よりも大きいのですが、
なぜかその間、米ドルよりも、円の信用が高いとみられて、円高も進行しています。


これは、日本国債の大半は、日本国民が間接的に購入しているという
事情も反映しているのでしょう。


となると、円高傾向は当面はこのままかもしれません。


そこでどう考えるかです。


もし、海外から円の価値が高いとみられているのであれば、
思いきって被災地の復興のために、国債をたくさん発行してもよい
という理屈になると思うのですが...


国債を過大に発行すれば、理屈の上では、政府の信用が落ちて、
通貨安になり、物価の高騰などが懸念されますが、今は円安もそれほど怖くありません。


例えば、国債発行で調達した資金で、いっきに被災地に人とお金と技術を送りこんで、
インフラを整え、経済活動を再開させる。
その過程で、雇用も生まれますし、景気回復にもつながります。
お金を使っても、基本的に国内で回るのですから、政府にも一部税収として返ってきます。


最近は、脱原発ばかりが注目され、被災地が置き去りにされているように感じます。


放射能も確かに怖いですが、今絶望している人を助けることの方が優先ではないでしょうか。


ただし、借りたものは、いつか返さなければならないというのが、社会のルールです。
いずれどこかのタイミングで、どうやって返すのかという問題が生じて、混乱することになるでしょう。


これは、どっちみちそうなります。


もしかしたら、ギリシャアメリカの今回の騒動は、将来の日本の混乱を
暗示しているのかもしれません。


例えば、日本の有力企業は、この円高のタイミングを活かして、
海外のM&A(企業の合併と買収)を積極的に進めているとの報道もあります。


この円高をどう捉えるかは、個人の投資家にとっても重要なことになると思います。