お金の価値ってなんだろう

日銀は、10月30日の金融政策決定会合
新たな金融緩和策の導入を決めました。


目立ったのは、資産買入等基金を11兆円増額し、
総額で91兆円にしたことです。


この基金で、国債などを買い入れ、市場にお金を供給します。


実は、9月にも、基金を10兆円積み増していますので、
2ヵ月の間に、21兆円の増額です。


10月は、上記の通り、1兆円だけ、おまけのような感じで
増やしましたが、11兆円では、もの足りないという意見もあります。


20兆円を期待する声もありました。


とはいうものの、1兆円とは、仮に1万円札で用意すると、1億枚。


おまけで、1万円札を1億枚ばら撒くイメージですね。


個人的には、歯止めが効かなくなり始めている、という印象です。


ちなみに、10月は、その他に、無制限貸出制度の導入が決まりました。


日銀が、金利0.1%で、最長4年まで、無制限に貸し出すそうです。


もちろん、日銀からこの条件でお金を借りられるのは、
日銀に担保を差し入れている金融機関で、信用力のない一般の個人が、
金利0.1%で、無制限にお金を借りることはできません。


ですが、無制限貸出制度の導入で、金融機関も一般の個人に
金利でお金を貸しやすくなっているといえます。


金利を見て、あと先考えずに、じゃんじゃんお金を借りる個人が、
増えるかもしれませんね。


もしかしたら、それで景気がよくなるかもしれませんが、
このような措置が、段々エスカレートしていくと、
最後には、ヘリコプターでお札をばら撒くのと、一緒のことになります。


こう見ていくと、お金の価値ってなんだろうと思いますね。


その一方で、お金のために、自分を犠牲にしている人が、いかに多い事か・・・


私は、仕事として、お金に関するアドバイスを行っていますが、
お金が目的化してしまわないように、注意しています。


お金の価値は、本当は、ただの紙切れかもしれないのです。


みんなが、価値があると信じているから、単なる紙切れも価値のあるものとなります。


ファイナンシャル・プランナーの立場としては、
お金は、あくまで人生の目的をかなえるための「手段」と位置付け、
お金の多寡ではなく、お金の使い方、動かし方にこだわって、
ぜひ「なりたい自分や家族」を目指していただければと思っています。